地震から建物を守る方法
<耐震、免震、制震とは>
「壊れにくい建物とは何か」?。地震のゆれに対して建物が壊れないようにするには、主に「耐震」、「免震」、「制震」の3つの方法があります。
一般に「耐震構造」と呼ばれるのは、建物そのものを頑丈にする「強度抵抗型」のことです。
柱や梁を太くしたり、壁を増やしたり、鉄骨の接合部を強固にしたりすることなどにより、文字通りゆれに「耐える」構造とするのです。これが地震に対する備えのもっとも基礎となる方法であり、全ての建物が、ある一定程度以上の強度を持つことが法律で義務付けられています。つまり法律を遵守して建てられた建物であれば、ある程度の耐震性は確保されているのです。
また、粘り強さを高めることでゆれに抵抗しようする耐震構造があり、これを靭性確保型の耐震構造といいます。中小地震までは上に書いたように強度で抵抗しますが、震度6以上の大きな地震を受けたときは、壁・梁・柱などの構造部材にひび割れが入り、コンクリートの中の鉄筋が元に戻る限度を超えて伸びる。これを構造部材の塑性変形(そせいへんけい)とよび、ひび割れや変形によって地震のエネルギーを吸収する効果があります。靭性確保型の耐震構造はこのような考えで成り立っており、大地震を受けるとかなりの被害を受けてしまいます。地震後には修復が必要であり、場合によっては取り壊しになることもあります。ただ、中にいる人々の人命を保護することを考え、建物の倒壊を防ぐことを目標としています。
次に免震構造とは何なのかを見てみよう。これは建物と基礎の間に積層ゴムなどの免震装置を用いることによって、地震のゆれを建物に伝わりにくくしたものです。これにより建物に伝わるゆれは2分の1から10分の1程度まで小さくなります。日本で初めて作られたのは1980年ころで、この頃は数階建ての建物に使われていましたが、最近では10階をこえ40階くらいの建物までに使われるようになっています。2000年の建築基準法改正以降は一戸建て住宅での採用も増え、1500(2005年)を越える住宅が免震構造で造られています。年々その数は増えており、建築物の年間着工面積の統計によると、その約1%にあたる建物が免震構造で造られています。近い将来10%を越える建物に使われることが期待されています。
そして、制震構造というのは、建物のゆれを吸収する「制震(振)ダンパー」や「制震(振)壁」を間仕切壁の中などに設置する建築物のことです。地震のエネルギーはこれらのダンパーによって吸収され、柱や梁には被害が及びにくい。地震後の継続使用、財産価値の保全を目指した耐震構造です。制震構造は10階以上のタワー型ビルで特に高い耐震効果を発揮し、主に超高層オフィスやホテルなどで用いられています。制震(振)構造の建物は靭性確保型の建物に比べ、上手な設計を行うとコスト増はほとんどないにもかかわらず高い耐震性能が得られるため、年々その使用実績が増えています。高さが60メートルを超える超高層ビルは特別な審査を受けて建設されますが、最近の統計によると70%以上の超高層建築物が制震(振)構造により建設されています。今後は中低層建築物に普及してゆくことでしょう。