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なぜアルファ米っていうの?


<アルファ米>

 万一の災害に備えて、飲料水や食料あるいはテント、トイレに至るまで阪神大震災以降、個人レベルで災害に対する意識が高まり準備されている方が多くなっているようです。
 このような災害に備えるグッズの中でも食料、特にアルファ米はカンパン共々オーソドックスな備蓄品です。

アルファ米ってよく聞く名前ですが、なぜアルファ米なんでしょうか?

このアルファ米の「アルファ」とはお米に含まれる「でんぷんの状態」を示しています。
お米にはでんぷんの他様々なアミノ酸、ミネラル、ビタミン類が含まれていますが、約70%〜80%がでんぷんで占められています。
生のお米に含まれているでんぷんはβでんぷん(ベータ化でんぷん)と呼ばれ、そのまま食べてもおいしくなく、又消化しにくいため人体にとって栄養となりにくい状態です。

しかしながらこれに水を含ませ熱を加えると、美味しくしかも消化吸収しやすいでんぷんに変わります。このでんぷんの状態をαでんぷん(アルファ化でんぷん)と呼んでいます。

       
アルファ化とベーター化のモデル図 この「アルファ化でんぷん」はとても不安定で、そのまま放置しておくとベータ化でんぷんへ容易に戻ってしまう性質を持っています。

温かい状態のご飯が冷めるとボロボロのパサついたご飯(冷や飯)に変わるのはお米の中でアルファ化でんぷんが生でんぷん(ベータ化でんぷん)に戻った現象によるものなんですね。

でも、このベータ化でんぷんとなったごはんも、また熱を加えるとアルファ化し、やわらかく美味しい状態に戻ります。

水分量が30%〜60%、温度が2℃〜3℃程度のときが最もアルファ化からベータ化へ進行するといわれています。冷蔵庫の中のご飯がボソボソなのはこの現象が起こりやすい環境にあることが原因なんですね。

このようにでんぷんは非常に面白い性質を持った物質なんですね。

アルファ米は常温でなぜベーター化しない?

でも、アルファ米は災害時の備蓄食料として常温で保管されていますけど、なぜベータ化しないんでしょうか?

ベータ化からアルファ化したでんぷんは通常の状態では熱が冷めると、またベータ化してゆきますが、ある一定の条件で処理するとベータ化せずアルファ化のまま保ち続ける性質がわかりました。
それは乾燥させることなんです。

ベータ化は水分量10%以下ではほとんど進行しないということがわかりました。
このためアルファ米はできた状態から一気に乾燥させることによって、水分を蒸発させ常温でもアルファ化したまま保つことができるようにしたのがアルファ米というわけです。

ちなみにオブラートもでんぷんに熱を加え、糊化(こか)し薄く延ばした状態で乾燥させたものです。オブラートのアルファ化は98%にもなるそうです。

このアルファ米は現在では、災害備蓄用ばかりでなくキャンプや登山などにも食料として使われているようです。
登山では標高が高くなると気圧が低くなって、沸点が下がりお米を炊いても芯が残ってうまく炊けないというのは有名な話ですが、アルファ米は沸点が低くても炊くことができるだけでなく、水を注ぐだけでも食べれる、軽いなどで登山には重宝されているようです。

災害は「忘れたころにやってくる」とは昔から繰り返し言われてきました。阪神大震災を経験した私たちもいつしか記憶があいまいになり、災害が「対岸の火事」のように感じている人も多いのではないでしょうか。しかし、地球上では今、このときもどこかで災害が発生しているといっても過言ではありません。今度は私たちの番かもしれません。

今日をそして明日を生き抜くために、あなたやあなたの愛する人たちを守るためにも、「備えあれば憂い無し」。
あなたの備えを再確認してみませんか?そんな備えの第1歩にアルファ米はぴったりだと思います。